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第8回 ゴロにタイミングを合わせようとするから、ゴロにタイミングが合わない

禅問答のような 言葉のタイトルがついています。

よく野球教室で 質問を受けるのが 「ゴロにタイミングを合わせられないのですが、どうすれば タイミングを合わせられますか?」という事です。
まず ゴロを捕球しようとせずに ゴロの軌道を思い浮かべてほしいのですが、ゴロは いろいろな放物線を描きながら 捕球する選手に 近づいてきます。
そのゴロの放物線は 地面の凹凸の影響で 僅かなズレを繰り返しながら 飛んできます。
ズレの連続で転がってくるゴロは 捕球する直前のバウンドでも ズレます。
イレギュラーの連続攻撃のような感じではないでしょうか?
だいたい このズレの連続に 自らの動きのタイミングを 合わせることは できるのでしょうか?
無理ですよね、合わせられませんよ。
今回は ゴロを安定して捕球している選手の動き方と その練習方法について説明します。
数年前に 雑誌の企画で プロ野球の沖縄キャンプに ある選手と対談するのに 向かいました。
その時に時間が空いたので 興南高校の練習を見学していました。
あいにく 天候が悪く 雨が降ったり 止んだり、グラウンドを歩くと 靴跡がクッキリついてしまう、あいにくのグラウンドコンディションでした。
そんなグラウンドコンディションの中で 興南高校2軍チームだという 守備練習が スタートしました。
全面 土のグランドは イレギュラーバウンド必至という状況です。
そして 外野ノックからスタートしました。
外野のゴロに対して 選手達は 直線的に 猛チャージです。
バウンドに合わせるという感じではありません。
どこで捕球体勢になるのだろう と思うくらい、ゴロに まっしぐらに 猛チャージです。
そんな猛チャージじゃ、捕球するよりも 足元も悪いし、捕球体勢で 止まれないだろうと 思ったほどです。
ところが 興南高校外野陣は イレギュラー必至のゴロを いとも簡単に捕球して 内野手に返球していました。
興南外野陣に共通していたのが ゴロがイレギュラーしない ショートバウンドで捕球していたところです。
猛チャージして 必ずショートバウンドで捕球していました。
ショートバウンドならば イレギュラーしても その影響は少ないわけです。
待っていると ハーフバウンドになって イレギュラーの影響も 大きいわけです。
内野手も 小刻みなステップで 外から回り込むなどの 小細工?はせずに、直線的にゴロに入り込み 捕球していました。
メジャーの守備を見ていても バウンドに猛チャージをかけるように入り込んで 日本のような回り込んで 待って 捕球する選手は 見受けられません。
メジャーは 天然芝や 土のグランドですから イレギュラーのしやすいグランドですから チャージする動きは 必須なのでしょうね。
NPBのように 人工芝ならば、待って捕ることも可能でしょうが(イレギュラーしない)やはり待って捕る選手は メジャーでは 通用しません。
これが 日本人内野手が メジャーで活躍できない要因だと考えています。
待って捕るとイレギュラーはするので エラーの可能性が高まり、ギリギリの球際のゴロを アウトにすることはできないでしょう。
でも 猛チャージしたら 止まって捕球体勢になれないじゃないか?と 疑問がわきます。
一般の選手は 捕球体勢に入る時に 足裏で踏ん張って 止まって捕球体勢を作ります。
そうすると 足裏の急ブレーキで 自分自身が倒れそうになります。
だから ゴロの猛チャージせずに ゴロの放物線に合わせようと 待って捕球体勢を作っています。
両方のふとももの前の筋肉(大腿四頭筋)に力が入っています。
そうすると 体が硬直していて ゴロをトンネルしたメジャー帰りの プロ選手がいました。
実は 猛チャージでショートバウンドで捕球できる選手は 体の部位の重さを巧みに使って 捕球体勢に入る 止まり方(捕球体勢)をしています。
それは 走りの勢いを ある体の部位を 走りと逆方向に使い、走りの勢いを相殺する 運動量保存則を 利用した止まり方です。
旅客機が着陸した時に 逆噴射と 通常のブレーキを 利用して止まりますが、これと同じ止まり方が 人間にもあります。
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これは 内野手の場合の止まり方です。
全速力で 猛チャージして 頭の高さを変えないように。
股関節を柔らかく使いながら チャージをかけます。
そして ポイントは 捕球直前に 両方の股関節を脱力します。
股関節をだるま落としのように ストンと力を抜きます。
そうすると 骨盤が お尻を突き出すように なります。
この骨盤が 後方に移動するエネルギーが 走りの勢いを相殺します。
そうすると 全身が ニュートラル状態で 全身の筋肉が動けるようになっています。
一般的には 足裏で踏ん張ってこの捕球体勢を作りますが、体が倒れそうになるばかりではなく、全身が硬直していますから グローブの肘を引いて 捕球するしかありません。
この踏ん張っている捕球体勢ですと、簡単なゴロでも 僅かにイレギュラーしていますから 僅かなゴロの変化に対応できずにハンブルするのです。
先のニュートラル状態で止まれる選手は グローブを前に出すことも、引くことも、逆シングルも、フォアハンドの捕球も 自在に動ける体勢になっているのです。
ですから 捕球体勢は 形を作るのではなくて、両方の股関節の脱力で ショートバウンドで捕球すニュートラルストップを作る事です。

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外野手も同じようにです。

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全速力で 猛チャージして ショートバウンドのタイミングで 両方の股関節を脱力します。
そうすると 捕球時の後脚の重さが が逆方向に向い、走りの勢いを相殺して ニュートラルの止まり方ができます。
ですから ゴロの一つ一つの放物線に 合わせてタイミングを とっているのではないのです。
ざっくりした ゴロの方向性に 全速力で猛チャージかけるのです。
そして 両方の股関節の脱力のタイミングと ショートバウンドに タイミングを合わせます。
ニュートラルストップです。
それでも ゴロは微妙に変化をします。
それを 自らの自由に動ける状態の筋力で 対応するのです。
ゴロは常に変化(イレギュラー)をします。
ニュートラルストップを身につけて「どこでも来なさい」と 変化に 全身の筋力で対応できる 身体性を身につけましょう。
野球選手達は 股関節を自在に動かす運動神経と 柔軟性は 必須の身体能力ですので 鍛錬を繰り返して下さい。
では このニュートラルストップの 捕球体勢を作る練習動画がありますので ご覧下さい。
http://youtu.be/oSpFVMXlWIY

Baseball MAPSスーパーバイザー・吉澤 雅之(タイツ先生)

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