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第11回 投球の最大の力、位置エネルギーを利用する方法

投球の最大の力、位置エネルギーを利用する方法

人間は 地球上に立って生活します。

立つ事ができるので 野球を発明しました。

投手はマウンドに立って 片脚を上げて 投球します。

マウンド上で 静止した状態から投げる為には、 片脚を上げて投げる事が 強いボールを投げられる事を 本能が知っているのです。

クイックスローは 片脚を上げずに投げますが、片脚を上げない分だけ 球威が落ちるものです。

それは 片脚の重さの 位置エネルギーを使えなくなるからです。

投手の最大のエネルギーは 体重の位置エネルギーを利用する事です。

今回は 投球の最大の力である、位置エネルギーを利用する 体重移動の方法について 説明したいと思います。

位置エネルギーの 威力を簡単に説明します。

例えば 東京駅から 新大阪駅まで 新幹線で向かうと 2時間半くらいかかります。

仮に 東京駅から 新大阪駅まで 地下にパイプラインのように 曲線のトンネルを 掘ったとします。

このパイプラインのトンネルに 東京駅側からボールを コロコロと転がしたとします。

ちょうど 静岡あたりが 最下点で 新大阪までは上り坂とします。

まるで ジェットコースターのレールのようです。

東京駅から コロコロ転がしたボールは 新大阪に たった12分で 着いてしまうのだそうです。

下の絵は サイクロイド曲線を示す(中の坂) ボールの転がる スピードを表しています。

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サイクロイド曲線は 最速降下曲線とも いわれています。

図の真ん中の曲線が サイクロイド曲線ですが、三角形の真っ直ぐの坂よりも サイクロイド曲線の方が ボールは 速く滑り落ちます。

このサイクロイド曲線を利用する投手が 位置エネルギーを最大化した 強いボールを 投げる事ができます。

しかも 体重移動の上手い投手は サイクロイド曲線の距離を 最大にします。

サイクロイド曲線が長ければ 長いほど 重力加速度が 働いて エネルギーは 増幅します。

投手のサイクロイド曲線は 脱力と 2種類の軸足股関節の使い方のタイプで 体重移動は 最大化します。

では 投手が片脚を上げたところから ポイントを説明します。

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投手の位置エネルギーの発動は 片脚の上げた状態での その安定性から始まります。

投手には 先の2枚の写真のように いろいろな姿勢があります。

背中真っ直ぐだったり、背中が丸まったメジャーの投手のようなタイプもいます。

投手が位置エネルギーを利用するために 片脚を上げた状態で バランスがとれている事が大切です。

全身が 軸足の股関節で バランスの軸(赤点線)が発生して 全身がヤジロベエのようにバランスがとれている状態が 大切です。

必ず このバランスがとれている状態を 作らなければ 位置エネルギーを発動させられません。

これから 全身を脱力するのですが、バランスの取れない立ち方の時は 身体の何処かに 力が 入っている状態で 本当の脱力になっていません。

重い身体を よっこらしょと 横移動させるような体重移動に 位置エネルギーは 発動していません。

ですから 投手は 片脚を上げた状態で 普通に立っている時と同じような リラックスした体感が大切です。

ヤジロベエのように バランス良く 静止できる立ち方を 練習しましょう。

それは 軸足の股関節で 全身がバランスがとれている状態です。

これが 出来たら 位置エネルギーを発動させる 脱力を 練習します。

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上の写真のように 軸足の股関節から 上の部位(赤線で囲まれて部位)を サイクロイド曲線に 滑らせるようなイメージで 体重移動をします。

首、鳩尾、両方の股関節を 脱力します。

これらの部位を「ふあっ」とします。

ふあっとしたきっかけで 全身が滑り落ちる感覚です。

ここで ふあっとしない 悪い例の 脱力的なものを説明します。

ふあっとしていない悪い例は 軸足の大腿四頭筋(軸足太もも前の筋肉)に 力が入っています。

私達は 椅子に座る直前に お尻の皮膚の衝撃を緩和させようと 無意識で 大腿四頭筋に力を入れています。

この感覚と同じ使い方をしていたら 位置エネルギーは発動していません。

「ふあっ」と 滑りだす感覚を 探して下さい。

そして もう一つ大切な事が 軸足の股関節の2つのタイプの使い方です。

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軸足の股関節は 脱力すると 重力作用で曲がります。

「ふあっ」と すれば 伸びていた関節は 重力作用で 勝手に曲がります。

それに 股関節の働きは 横回旋の働きがあります。

この横回旋の働きが サイクロイド曲線の距離を長くします。

先ほども言いましたように 位置エネルギーの距離が 長ければ 長いほど 重力加速度で エネルギーは増幅します。

その感覚を オリックス 金子千尋投手は 「投げないように 投げないように 投げる」と発言しています。

金子千尋投手は 写真上の 軸足の股関節の外旋を使って投げています。

軸足の股関節の外旋から内旋になる時間が 重力加速度を増幅させます。

写真下の 股関節の内旋するタイプは 田中将大投手が このタイプです。

体重移動の初動で 股関節の脱力と内旋を使い、胸を張る段階で 軸足股関節は外旋、リリースでは内旋と これまた 位置エネルギーの働く 距離を長くしています。

このように まず ⑴片脚を上げて バランス良く立てる動きを練習する。

続いて⑵ 軸足股関節の外旋始動か 内旋始動かの タイプを見極め 脱力始動を練習する。

これらの動きを タオルなどを持って シャドーピッチングで フォーム作りをしましょう。

Baseball MAPSスーパーバイザー・吉澤 雅之(タイツ先生)

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