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第13回 重力作用を利用する スイング始動の方法

野球のバットは 円柱形をしています。

なぜ その形になったのか?

野球は 始め 木の太い枝を拾ってきて、ドングリなどを 打つことから 始まったのかもしれませんね。

太い枝のグリップは 太すぎて 前腕(ぜんわん)を上手く回せません。

ですから 手のひらのサイズに合わせて 細くしました。

グリップが細くなって スイングスピードが増すと バットは遠心力で 吹っ飛びそうになります。

ですから グリップエンドを つけることにしました。

また 長い木の枝のバットは 上手くスイングできません。

ですから 振り切れる 適当な長さに ノコギリで切りました。

ざっと こんな風に バットが生まれてた物語を 想像してみました。

また ゴルフクラブは なぜ インパクトするヘッドが 横にせり出しているのでしょうか?

ゴルフは 世界一 飛距離が出る球技です。

円柱形のシャフトに 横にヘッドをせり出したほうが 遠心力を利用した回旋力を 最大にできるので あの形になったのでしょうね。

このように 道具には 先人達の 身体文化や知恵が詰まっているのです。

ですから 身体文化の詰まった道具の物性に合わせてスイングすれば、理想的なスイングが できるのではないでしょうか。

今回は バットを重力作用に合わせて振る運動神経と 練習方法について説明したいと思います。

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では 世の中に出ている バットスイングの初動の諸説について検証したいと思います。

写真上の バットを縦に振り出すという説です。

バットを持った構えは 地球の重力と筋力が 拮抗して バランスがとれています。

バットが 重力で引きつけられることに 筋力が対抗しているから 構えられているのです。

写真上は 重力方向に振り出せば良いと言うものです。

これは 半分正解で 半分ダメです。

写真の赤い丸に注目して下さい。

縦に振り出すために 腕の筋肉に力を入れている部位です。

肩関節や グリップ周辺の筋肉です。

このスイングは 肩甲骨の稼働がないために しなるようなスイングになりません。

両腕の内旋と外旋の動きが起こりません。

そうすると 変化球の緩急に対応できないのです。

パンチング打法のような腕の使い方になります。

そして もうひとつは 「筋肉は力を抜かなければ 力を入れられない」という性質があります。

構えの段階で 両腕には力が入っていて そこに 更に力を入れて 縦に振りだしたとすると 数テンポ、振るだしが 遅れることになります。

縦に振ろうとすることと、縦に行ってしまうは 違うのです。

そして 写真下のものです。

みなさんは 学校の掃除の時間に 箒を手のひらに乗せてバランスをとったことが あるでしょう。

バットを手のひらに乗せて 同じようにバランスをとって バットが手のひらで 倒れるように 振り出せという説です。

これも良く考えてほしいのですけど バットを倒す時に 手のひらの周辺に力を入れて 手のひらをズラすようにしていませんか。

手のひら周辺の筋肉に 力を入れていますよね。

これをスイングに置き換えると グリップ周辺の筋肉で 手前にズラすようします。

そうすると バットは反対側に倒れます。

せっかく 手のひらでバランスをとる ニュートラルな運動神経を発揮しているのに グリップ周辺に力を入れて 運動を滞らせてしまいます。

そうすると グリップを基点にしたテコの原理で バットのヘッドは 体から離れていきます。

どんなスイングであれ グリップ周辺の筋肉で 初動を行った場合 バットヘッドは 体から離れますので ドアスイングになります。

この教えを行っている人のスイングを見ますと 写真下のように 前の肩や肘がせりがって スイングに ブレーキをかけているように見えます。

いずれにしても グリップ周辺の筋肉で スイングを初動したら バットの長さの慣性が働いて バットは遠回りの ドアスイングになりますから 気をつけて下さい。

結論を言えば 両腕に力を入れないスイング始動を 身につけなければなりません。

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それは 肩甲骨、背骨、股関節を合わせた落下脱力始動です。

この感覚を説明すると 台から接地するような「ふあっと」した感覚で振りだします。

トップで バットが寝ていようが、立っていようが この部位の脱力始動をするのです。

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そうすると バットと両腕は 一体として落下して
どんな投球でも ボールの内側を振り切れるスイング軌道になります。

バットの初動では 肩甲骨や両腕やバットが 重力の落下作用そのものを利用して落下して、バットが横になる局面では 身体の地面反力の浮力と 重力作用より、軸と遠心力がバランスがとれて、強いスイングができるのです。

つまり 重力と常にコミュニケーションをしているわけです。

先の手のひらでバランスをとったバットを倒すことは バットと身体の重力作用を 断絶させることです。

剣術や武術では 動きの一部にテコの原理を働かせることは ダメな動きとして教えられています。

元常総学院の 木内監督は オモチャのプラスチックバットと 重い鉄バットを交互に振らせたそうです。

重さを感じて ゆっくりと スイングさせたそうです。

軽くバットが 小手先で振れば重さを感じられません。

重いバットは 全身をくまなく動かして調整しなければ 重さを感じられません。

このように バットの重さ 長さを 常に感じられるようにスイングすることで 重力作用を利用する あなただけの スイング軌道が 見つかります。

これも 良い練習方法ですね。

剣術の教えには「重い剣は軽く振り、軽く剣は重く振る」ということがあります。

木内監督は この いにしえの教えが わかっていたのですね。

では 自分が 鉄バット(2、5kg)で 重力作用を利用して スイング軌道を探す練習をしていますので ご覧下さい。

鉄バットを初動で落下の軌道を通し、横の局面では 遠心力と軸との関係を 見つけ出す練習です。
http://youtu.be/rGCf0DzuCe8

Baseball MAPSスーパーバイザー・吉澤 雅之(タイツ先生)

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